
プロテインは、いまや運動習慣のある・なしに関わらず、多くの方の日常生活にごく自然に取り入れられています。一方で、プロテインの活用を検討している方の中には、「プロテインを飲むと太る」と聞いたことがあり、活用を躊躇しているという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、プロテインを飲むと本当に太るのか、そして理想の身体づくりに向けた正しい飲み方についても解説します。
プロテインとは?
プロテインと聞くと、栄養補助食品をイメージする方が多いのではないでしょうか。日本におけるプロテインの意味合いとしては正しいですが、本来プロテインを直訳すると「たんぱく質」のことをいいます。たんぱく質は私たちの身体を作る材料となる重要な栄養素です。たとえば筋肉、内臓、血液、髪の毛、そして爪に至るまで、さまざまな部位がたんぱく質でできています。裏を返せば、たんぱく質が不足してしまうと、体の不調につながる可能性があるのです。
日本で「プロテイン=栄養補助食品」として浸透している理由は、このたんぱく質不足が深く関わっています。そもそもたんぱく質は肉、魚、大豆、乳製品などに多く含まれており、朝・昼・夕とバランスの取れた食事が摂れていれば、不足することはありません。しかし、現代人は忙しさを理由に、朝食を抜いたり、食事量が少なかったりと、多くの方がたんぱく質不足に陥っています。プロテインはたんぱく質を手軽に補給できる手段として、ドリンクタイプ、ゼリータイプ、プロテインバーなど、需要の高さに比例して様々な摂取方法が誕生しており、栄養補助食品としての意味合いで広く認識されています。
参考元:Better Health-Protein

「プロテインを飲むと太る」は本当なのか?
プロテインの活用にあたって、「プロテインを飲むと太るのではないか?」と気にする方も多いでしょう。しかし、プロテインを飲むこと自体が体脂肪増加の直接的な原因になることはほとんどありません。一方で、プロテインの飲み方を間違えると体脂肪が増える可能性がある、ということは知っておくべきポイントです。
体脂肪が増えるのは通常、摂取カロリーが消費カロリーを上回ったときです。プロテインにも当然カロリーがあり、商品によってカロリー量も異なります。たとえば、食事も運動量も変えないままプロテインを取り入れれば、摂取カロリーは単純にプロテイン分が増えることになります。体脂肪をうまくコントロールするためには、食事からの摂取カロリー、運動による消費カロリー、そしてプロテインの3つのバランスを意識することが大切です。
参考元:Google-“Protein gain weight”

1日に摂取するべきプロテインの量は?
1日にどの程度のプロテインを摂取すれば良いか知るためには、まず自分に必要な1日あたりのたんぱく質量を把握することが大切です。厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2020年)」によって、健康保持や増進を目的とした栄養素の摂取基準を発表しているので、参考にしましょう。たんぱく質の推奨量は、性別、年齢、運動量によっても異なります。自分におきかえて、適切な量を把握してください。そのうえで、食事から1日あたりに摂れるたんぱく質量を基準にプロテインの摂取量を調整します。食材ごとに含まれるたんぱく質量は、文部科学省が発表している「日本食品標準成分表」を参考にしましょう。主菜、副菜をはじめ、牛乳や果物など、幅広い食材を使った食事が理想的で、たんぱく質推奨量も問題なく摂取できます。しかし前述した通り、忙しい日々を送る現代人にとって、毎日それを継続するのは難しい場合もあります。そんなたんぱく質が不足してしまう日に、その不足分をプロテインで補給するのが良いでしょう。
参考元:厚生労働省-1−2 たんぱく質
プロテインを太ることなく活用するための正しい飲み方
プロテインを太ることなく上手に活用するためには、“1回あたりの量”を意識するのがポイントです。そもそも、私たちの身体が一度に吸収できるたんぱく質量には限度があるといわれています。プロテインの過剰摂取は、かえってたんぱく質の吸収率を下げてしまうだけでなく、摂取カロリーが増えて、太る要因になる可能性があります。
プロテインは1食分の摂取目安量がメーカーによって決められており、場合によっては何度か回数を分けて飲むのもおすすめです。摂取量を守って、正しく飲むようにしましょう。
参考元:health-What to Know About Protein Powder and Weight Gain

まとめ
プロテイン自体が太る要因になることはほとんどありません。もしプロテインを飲み始めてから太ったと感じる方がいれば、プロテインを過剰に摂取しすぎているかもしれません。1回あたりに飲む量を見直すとともに、食事も含めた1日あたりの摂取カロリーと、運動による消費カロリーがどの程度かを確認するのがおすすめです。プロテインを飲む=太ったり、痩せたりする、ということではありません。自分にとって1日あたりに必要なたんぱく質量を知り、普段の食生活を基準として、不足分をうまくプロテインで補いましょう。